不動産購入時の不動産会社の選び方！事業者を見極めるポイントを解説

土地や建物を購入するときには、不動産会社に物件の紹介を依頼するのが一般的です。
したがって、希望する物件を手に入れるには、信頼できる不動産事業者へ依頼するのが大切なポイントになります。
この記事では、不動産事業者による違いや見極めポイントなど不動産会社の選び方について解説するので、不動産の購入を予定している方はお役立てください。

不動産を購入する際の不動産会社の選び方～事業者による違い

希望する土地や建物をみつけるときに不動産会社の力量は大きく左右しますが、信頼できる依頼先の選び方を理解されている方は少ないかもしれません。
ここでは、不動産事業者による相違点について解説するので、依頼先を選ぶ際の参考にしてください。

指定流通機構への登録

ほとんどの不動産会社は、指定流通機構に加入しており、指定流通機構が保有する情報を業務に役立てています。
指定流通機構とは、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣から不動産流通の活性化を目的に不動産情報を収集するよう指定されている組織です。
一般的にはレインズと呼ばれており、国内を東日本のほか中部圏、近畿圏、西日本の4つの地域に区分し、それぞれの地域において法人を設立したうえで活動しています。
レインズに加入している不動産事業者は、組織が把握している情報を閲覧できたり、他社が仲介を依頼されている物件も検索できます。
不動産事業者が顧客から依頼を受けて物件を探す際には、求められている条件の物件を検索して顧客へ紹介するのが一般的な業務の流れです。
したがって、大手でも地域密着型の小さな事業者でも、基本的には把握できる情報量に大きな差はありません。

問題点

土地や建物の売却にあたって不動産会社へ仲介を依頼するときには、売主は事業者との間で媒介契約を結びます。
媒介契約には一般媒介契約のほか専任媒介契約と専属専任媒介契約とがあり、一般媒介契約のときにはレインズへの情報登録が義務化されていません。
したがって、一般媒介契約によって売りに出されている物件の情報は、他社との間で共有されない可能性があります。
また、レインズによって他社が仲介を依頼されている物件を検索できますが、事業者の都合により他社の情報を紹介してもらえないケースが考えられます。
不動産事業者は、売主買主の双方から手数料を得られますが、他社が仲介を依頼されている物件に関しては手数料を得られません。
不動産会社のなかには、他社が担当している物件の情報を隠したうえで、自社が売却を依頼されている物件だけを集中的にアピールする事業者もいるでしょう。

得意分野

不動産業においては、売買や賃貸の仲介だけではなく、マンションや空き家の管理、物件の買取などの業務をおこなっています。
事業者によって得意分野としている業務が異なり、不動産を購入するときには、成約実績の確認などにより売買の仲介を主力としている不動産事業者を見極める必要があります。

求められるスキルの違い

売買の仲介であっても、売却側と購入側とでは立場が違うため、必要とされるスキルも異なります。
売主から依頼を受けて物件の売却に取り組むときに必要になるスキルは、物件の調査や権利関係の取りまとめ、売却における税務の知識など実務的なものになります。
一方、購入希望者へ物件を紹介するときには、物件の資産価値やリスクの見極めのほか住宅ローン、税制、補助金などの知識や手続きなどに対するサポートが必要です。
売買を仲介している限り、双方の知識を有しているのが一般的ではありますが、不動産の購入にあたっては、後者の業務を得意としている不動産事業者のほうが役に立つでしょう。

不動産を購入する際の不動産会社の選び方～事業者の信頼性

土地や建物の購入を成功させるうえで、物件の紹介は信頼できる不動産事業者に依頼する必要があります。
ここでは、不動産会社の信頼性を見極めるポイントについて紹介します。

ホームページ

ほとんどの不動産事業者が自社のホームページを公開しており、各社が掲載している情報の比較によって信頼性を見極めてみましょう。
大切なポイントはサービスの内容であり、購入後のサポートなどが充実している会社は、のちのち役に立ちます。
また、物件の情報を定期的に更新しているかについてもチェックしてみましょう。
長期にわたって情報更新がおこなわれていない不動産事業者のホームページにおいては、成約済みの物件を掲載している確率が高くなります。
古い情報を掲載しているような事業者は、顧客に対するサービスにおいても手を抜く可能性があり、信頼して業務を依頼する相手としては相応しくないでしょう。
なお、ホームページに掲載されている成約案件の実績により、購入希望者側の業務を得意としている事業者であるか確認してください。
実績を掲載していない事業者に対しては、電話などで資料の提供を求めて確認するとよいでしょう。

大手と地域密着型

不動産会社はレインズによって物件の情報を共有しており、地域に根付いて活動している小さな事業者であっても、全国的に知名度が高い大手と情報量に大きな差はありません。
地域密着型の事業者のほうが、思わぬ情報を持っている可能性があります。
会社の規模だけで判断するのではなく、実際に店舗を訪問するなどにより、信頼性を見極めるのが重要なポイントです。
デスクに書類が山積みになっているような事業者は、個人情報の取り扱いに不安が残ります。
また、店舗内が清潔に保たれていないときや、物件のチラシが煩雑に掲載されているような事業者は避けたほうが得策です。

不動産を購入する際の不動産会社の選び方～担当者の見極め

店舗を訪問するときの担当者の応対や電話対応の態度も、不動産会社の選び方の1つのポイントにあげられます。

聞き取りの姿勢

店舗を訪問して希望する物件の情報を説明する際に、細かい点について丁寧に尋ねてくる担当者は信頼できるでしょう。
質問のなかで自分では気が付いていないような点を引き出してくれるなど、顧客のニーズに合った物件を探そうと努めてもらえる可能性が高まります。

コミュニケーション

不動産会社へ依頼してからは、担当者とのやりとりを重ねたうえで、購入する物件の契約を締結する流れになり、担当者は重要な役割を担います。
買い手の要望だけを聞き、自分の意見や考えを話してくれない担当者のときは、成約に至るまでに不安な気持ちになるでしょう。
また、資料の提供を依頼してから数日経過しても返信がこないような営業マンは優秀とはいえません。
コミュニケーションをとれない担当者のときには、違うスタッフに変更してもらうのも1つの方法です。

知識

人柄や風貌で信頼できると判断するケースが考えられますが、大切になるのは知識と情報量です。
不動産だけではなく、各種の制度や税制など専門性の高い知識を持っているか、担当者との会話のなかで見極めましょう。
知識を持っている担当者は、理由や根拠を示したうえで物件を紹介する傾向があります。
デメリットについても、対策などを含めて隠さずに説明してくれるでしょう。
判断が難しいときは、専門知識が必要になるような質問を投げかけ、担当者の反応を確認するとよいでしょう。

宅地建物取引士の資格

不動産会社が仲介する取引においては、売買契約を結ぶ前に重要事項説明が必要になります。
重要事項説明は、法律によって宅地建物取引士の資格を持っていないと担当できません。
不動産会社には、資格を持っていないスタッフが勤めている可能性があります。
物件探しから契約を締結するまで、同じスタッフのほうがスムーズに進められます。
担当者が宅地建物取引士の資格を持っているのか、早い段階で確認するとよいでしょう。

まとめ

希望する土地や建物をみつけるうえで不動産会社の力量が大きく影響し、依頼先の選び方が重要なポイントになります。
大手でも小さな不動産事業者でも把握できる情報に大きな差はありませんが、情報が提供されないケースが考えられ、依頼する際には慎重に事業者を選ぶようにしましょう。
担当者が宅地建物取引士の資格を持っているのか、早い段階で確認することでスムーズに手続きを進められるでしょう。